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投稿日:2023.03.28 
更新日:2024.06.14 

食品工場エンジニアリングとは?食品工場建設前のおさらい

食品工場エンジニアリングとは?
人が口にする食品の製造を担う食品工場を建設する時には、衛生管理・生産管理などの面で、通常の工場とは視点の異なるさまざまなチェックポイントがあります。例えば、食品の製造現場では、安全・安心な『食』を確保するため、異物やアレルゲン、菌などによる食品汚染を徹底的に防止します。さらに、昨今の食品工場では、ロボットの導入による自動化が進んでいることもあり、24時間体制の生産ラインが実現しているケースがあります。24時間生産のラインでは、設備の耐久性やメンテナンス性の高さが大切になります。

食品工場におけるエンジニアリングとは、生産性や省人化、品質改善、衛生管理、従業員の働きやすさなど、幅広い要素を、それぞれの視点から一貫した設計思想でアプローチすることで、食品工場としての機能を最大限に発揮させる業務です。
当記事では、安全で生産性の高い食品工場を建設する際、非常に重要な役割を担う、食品工場エンジニアリングについて解説します。
FACTAS の工場建設流れはこちら

食品工場エンジニアリングとは?

食品工場エンジニアリングは、食品企業様の状況やニーズにあわせて、最適化した食品工場を作るために非常に重要な役割を担っています。食品工場の建設では、他の工場建設にはない留意点が存在します。

食品工場特有の留意点

  • 交差汚染を防ぐためのゾーニング・動線計画
  • 異物混入の原因となる防虫・防鼠対策
  • 施設内に温度差が生じるため、結露対策
  • さまざまな食品安全規格(HACCPなど)への対応
  • フードディフェンス・異物混入対策
  • 適切な排水系統・処理設備の設置

昨今の工場建設における留意点

  • 生産管理データの収集・蓄積、トレーサビリティ
  • AIやロボットの導入による自動化・省人化
  • 外国人労働者への配慮
  • 外国人労働者が増加したことにより宗教対応
  • アレルゲン管理
  • 省エネ対応やカーボンニュートラル対応

ここでは食品の品質を守るための冷蔵設備を導入する場合を考えてみましょう。冷蔵庫と一口に言っても、飲食店の厨房などで使用される小規模な設備から、長期間、大量の食材を保管するための大規模な設備まで、さまざまな冷蔵設備があります。そして、冷蔵設備の導入時に重要なポイントは、自社工場の規模や取り扱う食品に合わせて、最適な設備や機器を選ぶことでしょう。食品エンジニアリングは、食品工場の建設に必要な技術、ノウハウを持っており、建物の設計・施工はもちろん、工場に設置する細かな機械・設備の選定まで、トータルでサポートします。
食品エンジニアリングを依頼する先を選定する際は、自社工場の規模に合わせて最適な計画を提案してくれる経験豊富な会社を見つけることが重要です。

食品工場建設のポイント

それでは、実際に食品工場の建設を検討した時、どのような流れで計画が立案され、施工が進むかについて簡単に説明します。

①食品企業様のニーズを把握する

食品工場の建設を検討している食品企業様は、それぞれ異なるニーズを持っています。食品企業様が求める食品工場を建設する場合は、食品企業様のニーズを正確に把握することが大切です。例えば、食品工場の新設・リニューアルを検討している場合には、以下のような要望が考えられます。

  • 老朽化した工場・生産設備を更新したい
  • 工場の自動化を進めて、生産性を向上させたい
  • フードディフェンスを強化したい
  • 食品安全規格(HACCPなど)への対応を行いたい
  • 製造する製品の品質を向上させたい
  • 省人化、働きやすい現場にしたい

このように食品企業様のニーズを聞き出すことが、最適化された食品工場を建設するために非常に重要です。

②食品企業様の理想の工場を「見える化」する

①のヒアリングで明確になった食品企業様の要望について、それをどのようにして実現するのかを検討し、食品企業様と共に見える化します。

  • 何階建ての工場にするのか?
  • 作業動線はどうするのか?
  • 衛生区分をどう区分するのか?
  • どの作業工程を自動化するのか?
  • 省人化をどのようにして実現するのか?

③基本計画を固める

食品企業様の要望の確認と、要望をどのようにして実現するかが決まれば、食品工場建設の基本計画を固める段階に入ります。

  • 建設の目的・コンセプト設定
  • 環境条件(省エネやカーボンニュートラル)
  • 生産計画
  • 導入する設備の選定
  • コストと予算 など

食品工場の建設について、基本計画が食品企業様に納得いただければ、実際の建設工事に進みます。

  • 基本計画を実施計画に落とし込む
  • 施工・施工管理
  • 竣工

④保全

食品工場は、工場が完成してからが本当のお付き合いと言えます。というのも、工場完成後も、建物自体のメンテナンスや導入した機械・設備のメンテナンスなど、アフターフォローが必要な部分が多いためです。さらに、食品工場を取り巻く技術は、現在も進化を続けていることから、より生産性を向上することができる技術、新たな食品安全規格への対応など、工場完成後のサポートが必要になります。

食品エンジニアリングは、工場建設の基本計画から稼動後の保全まで一貫したサポートを行わなければならないため、幅広い知識とスキルを持っている会社に相談しましょう。規模にもよりますが、食品工場の建設は計画から運用までに概ね2年ほどが目安となります。

食品工場の建設プロジェクト立案と基礎知識でより詳しく解説しています。
食品工場建設・建築に関するよくある質問はこちら

まとめ

今回は、食品工場の建設時に、非常に重要な役割を持つ食品エンジニアリングについて解説しました。食品工場では、効率的な生産体制を構築するとともに、安全・安心な生産ラインを構築する必要があります。

例えば、食品の安全を担保し食品事故リスクを減らすためには、HACCPを始めとした食品安全の規格の知識や製品の製造プロセス、製造設備の作業手順など、幅広い専門知識と豊富なプロジェクト経験を有するエンジニアが参加し、計画・工事を進めます。もちろん、その他の工場や、ビル、マンションなどの建設でも、相応の知見と経験は必要ですが、食の安全安心を守るために規格などで制約がある食品工場の建設は、より高度な専門性が求められます。

このようなことから、食品工場の新設、工場の自動化・省人化を目的としたリニューアルを検討した時には、食品関連施設の建設実績やメンテナンス実績など、経験値が高い建設会社に相談することが大切です。

FACTASは、長年食品工場関係の食品企業様に恵まれ、数多くの食品工場建設をてがけてきた経験とスキルを活かし、ゼネコンでありながら、食品工場建設の計画から保守まで一貫したプロジェクトマネジメントをお約束します。

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この記事を書いた人

sande

安藤 知広

FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長

1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。