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投稿日:2021.03.30 
更新日:2022.09.26 

二酸化炭素濃度の測定で三密を避ける

2021年に入っても、世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルスですが、発見から1年以上が経過した現在では、さまざまな感染予防対策が行われるようになっています。例えば、メディアなどでも良く紹介される対策では『三密(密閉・密集・密接)の防止』や『人との接触を減らす』というものが有名ですね。 しかし、一口に『三密の防止』と言われても、どこからが『三密』と判断され、どこまでが許容範囲なのかがイマイチ判断できない…と考えてしまう方は多いと思います。また『三密の防止』では小まめな換気が大切と言われていますが、さまざまな食品を取り扱う食品工場などでは、施設内で多くの従業員が働いているものの、衛生管理の問題などから窓が少なく、閉鎖された環境下で従業員が働くことになります。特に、休憩室や食堂、更衣室などと言った環境に関しては、感染を予防することが非常に難しい面があると言われています。 実は、こういった換気が難しい施設において『三密状態』を回避するための手段として「二酸化炭素濃度の測定」が有効だと言われています。そこでこの記事では、換気が難しい施設において『三密状態』を回避するための目安や、それに有効は製品をご紹介しておきます。

二酸化炭素濃度で三密を避ける

新型コロナウイルスの感染予防対策として、適度な換気が非常に重要だとされています。しかし、冬場は室内温度低下の問題もありますし、これからの時期は花粉が問題になります。こういった状況の中、大阪府などではいくつかの商店街で『CO2濃度センサー』を設置し、換気の徹底を行うというモデル事業が行われました。これは、厚生労働省が公表した、必要換気量を満たしているかを確認する方法として、二酸化炭素濃度で確認することが有効という情報が出たからでしょう。厚生労働省からは、以下のような情報が提示されています。

必要換気量を満たしているかを確認する方法として、二酸化炭素濃度測定器を使用し、室内の二酸化炭素濃度が1000ppmを超えていないかを確認することも有効です。 • 測定器は、NDIRセンサーが扱いやすいですが、定期的に校正されたものを使用してください。校正されていない測定器を使用する場合は、あらかじめ、屋外の二酸化炭素濃度を測定し、測定値が外気の二酸化炭素濃度(415ppm~450ppm程度)に近いことを確認してください。
• 測定器の位置は、ドア、窓、換気口から離れた場所で、人から少なくとも50cm離れたところにしてください。
• 測定頻度は、機械換気があり、居室内の人数に大きな変動がない場合、定常状態での二酸化炭素濃度を定期的に測定すれば十分です。
• 連続測定は、機械換気設備による換気量が十分でない施設等において、窓開けによる換気を行うときに有効です。連続測定を実施する場合は、測定担当者に測定値に応じてとるべき行動(窓開け等)をあらかじめ伝えてください。
引用:厚生労働省資料より

食品工場での三密の防止

食品工場は、人が口にする食品を製造する施設という特性上、非常に高レベルな衛生管理体制が整えられており、清潔な作業現場を構築するため徹底的な対策が行われています。そもそも、食品製造業界では、新型コロナウイルス以外にも注意すべき菌やウイルスはたくさん存在しています。そのため、新型コロナウイルス問題以前から、徹底した手洗いやマスクの着用など、当たり前に行われているわけです。 しかし、食品工場のように清潔に保たれている施設でも、従業員用の休憩室や食堂、更衣室などといった環境については、感染の予防が難しくなると言われています。もともと、窓などが少ない施設となりますので、換気が難しいうえ、多くの従業員が働く施設ですので、休憩時に人が密集してしまう危険があるためです。
したがって、食品工場などでも、休憩時の感染予防対策として二酸化炭素濃度の計測など、三密状態の防止が非常に重要だと考えておきましょう。ちなみに、一般財団法人食品産業センターが公表した「食品製造業における新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」でも、休憩室や更衣室での感染予防対策が重要とされていますので、以下の記事もぜひご参照ください。 関連記事:食品製造業における新型コロナウイルス感染症予防ガイドラインをご紹介

CO2モニターについて

換気の目安として二酸化炭素濃度が有効という情報が公表されてから、さまざまなメーカーがCO2モニターの開発・販売を始めています。飲食店などでは既に導入されている場所も多いですが、食品工場ではまだ まだ導入が進んでいないように思えます。 ここでは、いくつかの製品をご紹介しておきますので、感染予防対策を充実させるためにも、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

eAir(イーエアー)

株式会社リンクジャパンが販売している『eAir』です。この製品は、他の機器などを用意したり、特別な設定をしなくても、箱から取り出して設置するだけで利用を開始できるという利便性の高さが魅力です。また、二酸化炭素濃度を数値だけでなく、4色のカラーで表示してくれますので、効率的な換気を実現することができると思います。
なお、スマートフォンと連携し、外部から数値を確認したり、レンジフードなどと連携させることもできるそうです。 > 公式サイトで確認

CO2モニター普及協会

CO2モニター普及協会では、さまざまなタイプの『CO2モニター』を販売しています。テーブルの上などに設置する小型タイプから、360度、室内のどこからでも二酸化炭素濃度の確認ができるタイプなど、場所に合わせた機器を選べるようになっています。
なお、CO2モニター普及協会では、レンタルでの導入も可能になっています。 > 公式サイトで確認

まとめ

今回は、新型コロナウイルスの感染予防対策において、非常に有効な機器と言われている『CO2モニター』についてご紹介してきました。新型コロナウイルスの感染予防では、三密の防止が非常に重要とされており、小まめな換気を行うことが求められています。しかし、換気が必要だと言われているものの、外気温や花粉などの問題もあり、つい換気不足に陥ってしまうということは珍しくありません。 この記事でご紹介した『CO2モニター』は、数値やカラーによって換気の必要性を知らせてくれる機器となっていますので、より安全で清潔な環境を作るためには非常に役立つものになると思います。特に、食品工場など、常時換気が難しい施設では、室内の危険度を目で確認できるというのが非常に大きなポイントになると思います。

 

この記事を書いた人

辻中敏

安藤 知広

FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長

1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。