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労働力不足に対する食品工場設計のあり方とは?

労働力不足に対するアンサーは「自動化」

近年、日本における少子高齢化による労働力不足は、歯止めが効かない危機的状況にあります。

さらに、これまで現場を支えてきた「団塊の世代」が七十代に突入し、労働力の頭数として考えていくことはできず、現場で働くことが非常に困難となってきています。労働力不足により、待遇や処遇などに好条件を打ち出す企業も増えており、繁忙期のパートタイマーですら、人が集まりにくい状況にあります。

結果として、その工場で働く正社員の負担増につながっています。この労働力不足という大きな課題に対するアンサーは「生産設備の自動化」だと考えます。

人が行っていた作業を自動化することで省人化を実現し、労働力不足や負担軽減に対応するという考えです。元々、工場内の自動化に関しては戦後から行われており、自動化に対する拒絶反応はそれほどないかと思います。労働力不足を理由に工場の操業を止めるわけにはいかず、工場の自動化を推進する動きはさらに加速すると考えられます。このように「労働力不足」という一つの大きな社会問題から派生し、生産設備の自動化を真剣に考えられ、相談件数も増えてきました。

今回は、建築の視点から労働力不足に対する食品工場の在り方について紹介します。

 

生産設備自動化を検討する

省人化、あるいは生産設備の自動化を実現すると、懸案であった「労働力不足」に対して、非常に有益な結果を残しますが、実施する上では課題が存在します。

まず、検討課題の大部分を占めるのが「費用」です。食品製造を行う工場の多くで使用されている生産設備類は既成品では無く、その工場で生産されている商品に合わせた生産設備類を製作、つまりカスタマイズしなければなりません。いわばオーダー品なので、コストが高くなります。例えば製造工程に十人ほど必要であったものが、生産設備の自動化によって二人で済むとなると効果は絶大です。オーダー品である自動化機能を搭載した生産設備のイニシャルコスト(導入費用)は高くつくかもしれませんが、「労働力不足」を解消することを考えることも重要ではないでしょうか。

また、以前と比べ、生産設備の性能も向上し、部品一つひとつとっても小型化が進んだことで、結果として生産設備を設置するスペースの削減にも貢献し、工場の面積自体は小さく済む場合もあり、建設コストを押さえられる可能性もあります。自動化を検討する場合は、短期的な視点ではなく、中・長期的な視点に立ってじっくりと時間をかけて検討を行なうことは必須となります。それだけ十分に社内検討されてから生産設備自動化についての採用を考えることは、メリットが多いと思います。

 

生産設備と建築の関係

先ほど述べたように、生産設備と工場建築の設計は密接に絡み合っています。工場建設に不慣れな設計担当だと、この辺りのことを理解(想定)できず、箱(=工場)はできたけれど、肝心な中身(=生産設備)の性能をフルに生かしきれないということもありえます。

例えば生産設備の発熱が大きい場合。発熱源である生産設備で熱を抑える工夫を行うことはもちろんですが、建築設計にそうした条件をインプットし室内環境を整える必要があります。仮に、そういったことをしなかった場合、最悪の場合は室内に熱気がこもってしまい、室内の建材や設備にも悪影響を及ぼしてしまい、機器の故障にも繋がります。また、労働環境の悪化にもつながり、「あの工場では働きたくない」という離職といった面にもつながってしまい、生産設備の自動化で省人化を実現しようと考えていたはずが、あらぬ方向へと転がっていってしまうことが考えられます。

生産設備会社との連携が上手く行っていない場合は色々な部分で不整合に繋がる事が多いです。例えば生産設備が貫通する場所の処置や、防熱対策と後々大きな問題になる箇所で発生してしまう事があります。生産設備の設計と建築設計を分けて考えてしまった場合は、相互に交わらない部分、つまり空白部分が生まれてしまい、後からの追加工事が発生し、余計な追加工事費用が必要となります。そのため、生産設備の設計と建築の設計は密接な関係で同時に進行させていくことが、さらに効率的な建築計画となっていきます。

 

工場の省人化は加速する一方

日本全体に言えることですが、労働力不足に対して対策を講じていくことはもはや待ったなしの状況にあります。また、さらに人口が減少してきている日本人ではなく、東南アジアを中心とした外国人労働者を積極的に雇い入れて対応している企業様も急増しています。しかし、外国人労働者の方は日本語の細かいニュアンスがつかみにくい場合もあり、言葉で指示を出しても齟齬が発生しやすいため、操作もシンプルに自動化することが重要です。

工場に限って言えば、省人・省力化=生産設備の自動化によって、活路を見出していけると考えられます。そのためには、生産設備の自動化によるイニシャルコストがかかったとしても、長期的に見ればプラスの作用が多いかと考えられます。むしろ、省人・省力にまつわる自動化はAI搭載の全自動ロボットの実用化などが進化していくことで、工場の省人化は加速する一方だと考えられます。


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