今回は、高温多湿な環境となりやすい食品工場で、従業員を熱中症から守るためにおさえておきたい基礎知識をご紹介していきます。
年々猛暑化が進んでいると言われる日本の夏は、外気温が35℃を超えることも珍しくなくなっており、夏場の朝のニュースでも「熱中症対策として水分補給を忘れずに!」というコメントがよく出されるようになっています。外回りの仕事となる営業職に就いている方であれば、移動中に喉の乾きを感じた際には、コンビニや自動販売機などで飲み物を購入するなど、水分補給は欠かさないようにしていることでしょう。
それでは、屋内での作業となる食品工場ではどうでしょうか?一般の人からすると、「エアコンの効いた室内での作業なら熱中症の心配なんかないのでは?」と考えてしまうかもしれません。しかし、加熱調理の工程では大量の水蒸気が発生するような作業現場では、室温が40℃を超えるようなことも珍しくなく、さらには高湿状態での作業となるため、外回り以上に熱中症の危険がある職場も存在します。したがって、食品工場の管理者は、従業員を熱中症から守るための対策が必要不可欠だと考えなければいけません。
この記事では、命に係わることがある熱中症から従業員を守るため、食品工場の管理者が知っておきたい、熱中症対策に有効なアイテムをご紹介します。
Contents
熱中症対策は『塩分補給』も大切!
猛暑化が進む日本では、梅雨時期ぐらいから「熱中症対策のため、こまめな水分補給を!」という声が聞こえ始めます。昔から、熱中症を防ぐ目的や初期症状が出ている場合には、涼しい場所に移動させ水分を補給させるのが正しい対処として知られています。確かに、熱中症対策を考えた場合、水分補給が非常に大切なのは間違いないのですが、大量の水分だけを補給し汗を流してしまう…という行為は、かえって熱中症の症状を悪化させてしまう恐れがあると言われているのはご存知でしょうか?
実は、熱中症対策としては、水分補給と併せて、塩分なども補給することが大切です。
間違った水分補給は、症状を悪化させる…
この時期になると、朝のニュース番組などでも「熱中症対策のため、こまめな水分補給を!」というワードが聞こえてきます。しかし、こういった情報に従って、しっかりと水分補給をしていたのにもかかわらず、熱中症になってしまった経験がある方も非常に多いと思います。さらに恐ろしいのは、「水分をしっかり補給していた!」ということが、逆に症状を悪化させてしまっていたということが珍しくありません。
これは、高温多湿な場所で長時間作業を行っている際に、大量の汗をかいてしまうと、体内の水分だけでなく塩分やミネラルなども一緒に奪われてしまっていくためです。そして、「大量に汗をかいた…」からと、水やお茶など、水分だけを大量に補給してしまうと、血中の塩分やミネラルの濃度が余計に低くなってしまい、重篤な熱中症になってしまうと言われているわけです。つまり「熱中症対策のためには水分補給が大切!」と考え、大量の水分だけを補給してしまうことで、体内の塩分などのバランスが崩れてしまい、熱中症を発症するだけでなく、重篤化を招いてしまう恐れがあるということです。
熱中症対策は、水分と同時に塩分補給を!
熱中症対策では、何らかの初期症状が見られた際に、水分を補給するだけでなく、塩分なども一緒に補給することが大切だと覚えておきましょう。例えば、仕事中に補給するための飲料として、薄めの食塩水などを用意するという方法でも構いません。熱中症対策を考えた場合、1Lの水に1~2g程度の食塩を加えることで、水分と同時に塩分を補給することができるようになります。最近では、手軽に塩分を補給できる『塩タブレット』なども販売されるようになっていますので、そういったものを口にするでも良いと思います。
ただし、食塩水や塩タブレットに関しては、口に入れた瞬間に、口内の水分が奪われてしまいますし、後味がどうしても慣れない…なんて声も多いです。したがって、食塩水を口にした後、口直しとして水やお茶を大量に飲んでしまい「塩分のバランスを整える意味がなくなってしまう…」なんて恐れがあるので注意しましょう。
なお、三和建設では、「建設業から熱中症をなくす!」という考えのもと、『3Kしおゼリー』という熱中症対策アイテムを開発販売しています。このアイテムは、『誰でも食べやすく後味も良いものを』というコンセプトのもと開発された「塩分と水分が同時に補給できるゼリー」です。朝礼時、10時、昼、15時の休憩時などに、おやつ感覚で食べることで、美味しく水分と塩分を補給することができ、従業員の熱中症対策としては非常に有効だと考えられます。
従業員を守るための熱中症対策アイテムとは?
それでは最後に、従業員を熱中症から守るために有効なアイテムをご紹介していきましょう。夏の最高気温がどんどん高くなっている現在では、熱中症を防ぐためのアイデア商品がたくさん開発されています。代表的なものをご紹介しておきますので、自社工場で利用できそうか検討してみてはいかがでしょうか。
①ファン付き作業服
まずは、建設関連の作業現場でよく見かけるようになってきた『ファン付き作業服』です。熱中症は、体内に熱がこもり、体の温度調節機能が狂うのが原因といわれています。このアイテムは、作業着にファンが取り付けられており、服の内部を冷やすことができるため、屋外・屋内どちらの作業現場でも活用できます。
取り扱い製品の関係上、空調機器を使用できない…などという工場では、特に効果的な熱中症対策になるはずです。空調機器が使用できない屋内作業は、通風が無い、熱がこもりやすいなどといった理由で、屋外作業よりも熱中症の危険がある場合も考えられますし、作業員自身が衣服で対策が取れるこのアイテムは非常に有効だと言えます。
②次世代HVLS (大風量低速回転)ファン
空港や体育館などにも導入されている、大型のシーリングファンは空調効率を高めてくれますので、光熱費削減とともに熱中症対策に有効です。つまり天井部分に取り付けるサーキュレーターのような物で、プロペラを回転させることで空気を撹拌させることができるアイテムとなります。さらに、穏やかで心地よい微風が自然な冷却効果を生み出しますので、体感温度を下げて熱中症を予防してくれます。
③スポット的に冷やせる冷風機
冷風機は、タンクの中に水を入れ、その水が蒸発する際の気化熱を利用し、冷たい風を送ることができる機械です。冷風機は、キャスター付きのコンパクトなモデルも多いため、空調機器が使用できない…などといった現場では、従業員をスポット的に冷やすことができるアイテムとして重宝しますが衛生的な配慮は必要になりますので採用の際には十分な検討を行いましょう。
機器の大きさなどもさまざまなタイプが存在しますし、現場ごとに合わせて導入できるのも非常に嬉しいポイントだと思います。
まとめ
今回は、食品工場などの管理者がおさえておきたい従業員の熱中症対策についてご紹介してきました。食品工場などの製造現場については、屋内作業となることから「エアコンがあれば熱中症の心配はない!」と考えてしまう方も多いです。しかし、取扱製品によっては空調機器が使用できない場合がありますし、食品工場などは加熱調理の工程があることから、施設内が高温多湿になってしまいがちになることから、熱中症の危険は十分に高いです。実際に、製造現場での熱中症発症数は、建設業に次いで第2位になっているなど、考えている以上に危険な現場だと言えるわけです。
もちろん、各工場の管理者は、製造業での熱中症危険度については理解していますし、適度な水分補給ができるようにさまざまな配慮をしていることだと思います。ただし、注意が必要なのは、熱中症対策のためと、水分だけを補給するようにしてしまうと、逆に従業員を危険にさらしてしまう場合があると考えましょう。熱中症対策は、水分の補給に合わせて塩分なども摂取しなければいけませんので、そういったポイントも頭に入れておきましょう。
この記事でご紹介した、当社で開発販売している『3Kしおゼリー』は、全業種の中でも最も熱中症の危険度が高い建設業界のゼネコンが開発したものです。誰でも、簡単においしく水分と塩分の補給ができるようにと考えられた製品ですので、この夏はぜひこういったアイテムを導入して熱中症対策を進めてはいかがでしょうか。