建築
投稿日:2020.04.17
更新日:2022.09.26
食品を取り扱う工場であれば、作業室内を常にクリーンな環境に保っていなければいけません。当然、食品工場で働く方であれば「クリーンな環境を保つために、日々の清掃には最大限注意を払っている」ことだと思いますが、そもそも作業室内の作りが、清掃しにくい環境になっているのであれば、どうしても目が届きにくい箇所が出てしまい、そこが汚れの発生源になってしまう可能性があるのです。 したがって、食品を取り扱う工場の建設時には『清掃しやすい工場』ということを前提にすべきでしょう。(これはHACCPでも求められています。)どれだけ最新設備を整えた工場であっても、『清掃しにくい工場』となってしまえば、日々の清掃における従業員の負担を増やしてしまうことになりますし、食品の安全に対するリスクも増大させてしまうことになるのです。 そこで今回は、「清掃しやすい工場の環境とは」ということについて考えていきたいと思います。
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食品を取り扱う工場を建設する場合、『清掃しやすい工場』を造るのがとても大切です。それでは、日々の清掃がしやすい環境とはどういったものなのでしょうか?ここでは、清掃しやすい環境を作るためにおさえておきたいポイントを簡単にご紹介しておきます。
それではここからは、食品を取り扱う工場において、常にクリーンな環境を保てる『清掃しやすい工場』を実現するため行っておきたいいくつかの対策をご紹介しておきましょう。
入隅部分にはR構造を!
まずは入隅部分への対策です。上述したように、この部分はホコリや粉塵が非常に溜まりやすい箇所となるため、汚れの蓄積を防ぐ目的で壁と床、壁と天井などの入隅部分にR構造を設けます。
排水溝は極力設けず、排水枡に集水!
排水桝は、油や食材のゴミを受け止め、水のみが排出されるようにする排水設備のことです。カゴ付きの排水桝を設置することで、配管の詰りなどの原因となる食品残渣などを容易に取り除くことが可能となり、トラップを設ける事で、防虫防鼠、悪臭対策となります。また排水溝や枡の形状にも気をつける必要があり、入隅にR加工した物を使用する事が必要になります。
床コンクリートのひび割れを防止!
床コンクリートは経年劣化で小さなひび割れが入ってしまうのは致し方ないことです。しかし、食品工場などの床面で考えた場合、コンクリートにひび割れが生じるということは、そのわずかな隙間が微生物や細菌の発生源になってしまうということなのです。したがって、できる限り床面コンクリートのひび割れを防ぐために、設計段階からコンクリートの配合にも気を付けた計画が必要です。
今回は、食品を取り扱う工場などで、常にクリーンな環境を保つためにおさえておきたいポイントについてご紹介してきました。食品工場などでは、異物混入や食中毒など、食品事故を防ぐため日々の清掃を徹底的に行い、クリーンな環境をキープすることに細心の注意を払っていることでしょう。当然、日々の清掃に注意することは非常に重要なことなのですが、そもそも施設が『清掃しにくい環境』になっているのであれば、食品事故リスクを下げることは難しくなってしまいます。日々の清掃は、従業員が汚れを視認し、それを取り除くというのが基本となりますので、清掃がしにくい環境だと従業員の負担が大きくなるだけでなく、汚れの見落としが発生してしまい、食品事故リスクが上がってしまうのです。 したがって、できるだけクリーンな環境を保てる工場を作るためには、日々の清掃ができるだけ容易になる『清掃しやすい工場』を造る事が大切になると考えておきましょう。清掃が容易になれば、それだけ食品事故リスクも下げることにつながるはずです。
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この記事を書いた人
安藤 知広
FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長
1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。