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投稿日:2020.01.15 
更新日:2022.12.22 

食品工場のコストダウンの方法とは?「合理的な工場」をつくるために考慮すべきポイント

「コストダウンが図られた儲かる工場」を作るためには?

それでは、「コストダウンが図られた儲かる工場」を作るためにおさえておかなければならないポイントをいくつかご紹介していきましょう。食品工場のコストダウンを目指す場合には、『生産性向上・人件費削減』という面や、工場の稼働のためにかかる電気代などのランニングコストをどのようにして削減していくかがとても重要になります。
そこで本稿では、生産性向上・人件費削減のためのポイントとランニングコスト削減のためのポイントの2つに分けてご紹介していきます。

 

生産性向上・人件費削減を考えた工場を作るには?

まずは、食品工場の生産性向上や人件費削減を実現するためのポイントからです。

 

適切なゾーニングと動線の最適化が重要


食品工場のコストダウンを考えた場合、原材料の入荷から製品の出荷までの導線を最適化する必要があります。したがって、工場の建設時に、入出荷の導線をできるだけ短縮し、効率化することが重要になるのです。上図の例を見ればよくわかると思いますが、左側の施設ではゾーニングが適切にできておらず、無駄な『廊下』が発生してしまい効率を悪くしています。それをできるだけ1WAYで無駄のない動線にするだけで生産性の向上とコストダウンが見込めます。
簡単に考えれば従業員1名が1日どれだけ動くのか?その距離が短くなれば1日の移動距離の短縮が一年間の移動距離(移動時間)の短縮になれば工場が稼働し続ける限りは費用削減が可能ということになります。

 

動線計画最適化のケーススタディはこちら

 

▼ゾーニングの意味や必要性については以下の記事もご参考ください。
ゾーニングとは?食品工場におけるゾーニングの意味と重要性について解説

 

上下階移動方法の選択も重要

一口に食品工場と言っても、施設によって取扱製品は異なりますし、場合によっては「1階⇒2階」などと上下移動が必要になる現場もあるでしょう。したがって、上述した導線の最適化同様、業務内容に応じて最適な移動方法を選択する必要があるのです。食品工場で上下移動を実現するには、エレベーターや垂直輸送機、フォークリフトなどの手段があります。工場建設時に慎重に選定しましょう。

 

最適なマテリアルハンドリング機器(マテハン機器)を選択する

上述した上下階移動を実現する機器・設備もマテハン機器に含まれます。食品工場に関わらず、製造現場では「モノの移動」の効率化は非常に重要になります。したがって、施設の生産性向上やコストダウンを考えた場合、「モノの移動」を効率化するマテハン機器の選択が非常に重要になるのです。マテハン機器は、省人化・省力化を実現する機器でもありますので、人件費削減対策にも有効です。

 

最適な生産機器を選択する

どのような製品を製造する工場でも、その生産を担う生産機器の選択は非常に重要です。例えば、選択する生産機器によっては、補助金の利用や税制優遇措置を受けられるものもありますので、大きなコストダウンにつなげることも可能でしょう。他にも、自動化による人件費削減など、「コストダウンが図られた儲かる工場」を作るためには決して無視できるポイントではありません。

 

食品工場のランニングコスト削減のためには?

次は、食品工場の稼働のためにかかるランニングコストをどうすれば削減できるのか?という視点で考えてみましょう。

 

適切なゾーニングと動線最適化

適切なゾーニングと動線の最適化は、入出荷を効率的に行えるようになるうえに無駄なスペースが必要なくなりますので、ランニングコスト削減にも大きな影響を与えます。

 

空調機器の診断および最適化や設定温度の見直し

冬は寒く夏は暑いなど、四季のある日本で、従業員が健康で快適に作業を進めるためには空調設備が欠かせません。しかし、大型施設となる食品工場などで毎日空調設備を利用すると考えた場合、日々の電気代は膨大になります。したがって、空調設備を導入する場合でも、「どの部屋にどういった設備を導入するのか?」ということを慎重に検討しなければいけないのです。
また、空調設備を利用する場合にも、設定温度や風量・風向きなどによって電気代削減効果が大きく違ってきますので、従業員に対して適切な空調設備の設定を徹底する必要があります。

 

その他の見直しポイント

上記以外にも、ランニングコスト削減を実現する手法はたくさん存在します。例えば、食品工場では多くの排熱が出ますので、それを再利用することでランニングコストの削減を目指すことや、施設に導入する照明をLED照明にするなどは非常に有効です。また、施設から出る事業ゴミの削減方法・再利用方法を検討することもとても重要です。

 

コストダウンが図られた儲かる工場・倉庫のケーススタディはこちら

 

まとめ

今回は、「コストダウンが図られた儲かる工場」を作るために頭に入れておきたいいくつかのポイントについてご紹介してきました。冒頭でご紹介したように、どのような工場であっても、できるだけコスト削減を目指し少しでも自社の収益を増やしたいと考えていることだと思います。しかし、口で「コスト削減を目指す」というのは簡単ですが、実際に施設に合ったコスト削減対策を見つけ、それを実行するというのはなかなか難しいものです。
特に、工場などの大型施設は、その中で働く人や、多くの機械・設備が稼働しているため、既存施設において何らかのコスト削減対策を進めていくことを考えた場合、どうしても限界というものが存在するのです。したがって、「コスト削減が図られた工場」を求める場合には、建設段階からさまざまな点について慎重に検討しましょう。

 

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この記事を書いた人

辻中敏

安藤 知広

FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長

1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。