革新/改善
投稿日:2021.12.21
更新日:2024.06.14
今回は、食品工場や工場建設をする際に利用できる補助金・助成金制度についてご紹介していきたいと思います。なお、この記事では、各省庁が公表した令和4年度概算要求の中で、食品工場やその他工場建設に関係しそうな部分を中心にご紹介していきます。
令和4年度の国の予算案については概算要求総額が111兆円余りで、過去最大と報道されています。テレビなどの報道では、概算要求総額にばかり注目が集まりますが、どのような要求がなされているのかをきちんと見ておくことで、政策動向やどのような補助金があるのかを探る事ができますので、しっかりと確認しておきましょう。
FACTAS の工場建設流れはこちら
参考:経済産業省「令和4年度経済産業政策の重点」
参考:環境省「令和4年度(2022年度)概算要求」
参考:令和4年度農林水産予算概算要求の概要
Contents
それでは、令和4年度に予定されている補助金について工場建設などに利用できそうなものをピックアップしてご紹介していきましょう。経済産業省が公表している資料では、令和4年度の「経済政策の重点」として以下の2つがあげられています。
新型コロナウイルス問題が長引く中、中小企業・小規模事業者・個人事業主などの事業継続・再構築に適切で確実な対応を行うと共に、コロナ禍がもたらした社会変化に対応するための取り組みに重点が置かれているようです。
【298 億円(185 億円)+中小機構交付金 182 億円(177 億円)の内数】
事業再構築補助金(令和2年度三次補正:1 兆 1,485 億円)は、随時運用改善を行いながら、新分野展開や業態転換等の果敢な取り組みへの支援を行っているところで、引き続き、これらの取り組みを支援するとともに、併せて事業承継・引継ぎ・再生を推し進めるとしています。なお、新規の「ものづくり等高度連携・事業再構築促進事業」については、複数の中小企業などがデータを共有し、連携体全体として新たな付加価値の創造や生産性の向上を図るプロジェクト、新分野展開や業態転換、革新的な製品・サービス開発、生産プロセスの改善を行うプロジェクトを最大2年間支援するとしています。
【236億円(169億円)+中小機構交付金 182 億円(177 億円)の内数】
生産性向上による成長促進については、工場に非常に密接な関係がある補助金と言えるでしょう。生産性革命補助金(令和元年度補正:3,600 億円、令和 2 年度三次補正:2,300 億円)を通じ、設備投資・販路開拓・IT導入を促進しているところですが、引き続き、研究開発促進・海外進出支援・DX 等も含め、生産性の向上を図っていくとしています。
その他にもさまざまな補助金が予定されていますので、以下の資料でご確認ください。
参考:経済産業省「令和4年度経済産業政策の重点」
次は環境省が予定している補助金についていくつかピックアップしていきます。
【令和4年度要求額 10,800百万円(令和3年度当初予算4,300百万円)】
リサイクル設備・再生可能資源由来素材などの製造設備の導入を支援するとしています。
参考:環境省資料より
【令和4年度要求額 1,000百万円(新規)】
中小企業等へのCO2削減量に応じた設備等導入補助で、コロナ禍からの経済再生と脱炭素化を同時実現することを目的としています。
参考:環境省資料より
【令和4年度要求額 7,300百万円 ( 7,300百万円)】
先進技術を利用した省エネ型自然冷媒機器の導入を支援する補助金です。
参考:環境省資料より
その他にさまざまな補助金が予定されていますので、以下のページを確認しておきましょう。
その他の補助金もいくつかピックアップしておきます。
食品ロス削減・プラスチック資源循環の推進(農林水産省) | 詳細はコチラ |
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食品流通拠点整備の推進(農林水産省) | 詳細はコチラ |
5G等の活用による製造業のダイナミック・ケイパビリティ強化に向けた研究開発事業(経済産業省) | 詳細はコチラ |
資源循環システム高度化促進事業(経済産業省) | 詳細はコチラ |
令和4年度に予定されている補助金関係は、各省庁のページにまとめられていますので、以下も確認しておきましょう。
今回は、各省庁が公表している令和4年度概算要求資料から、工場建設に関連しそうな補助金情報をご紹介してきました。さまざまな補助金が用意されていますが、新型コロナウイルス問題が長引く中、企業が事業継続や再構築するための補助金が目立つような気がします。また、世界中で問題視されているプラスチックやエネルギー関係の問題については、非常に多くの補助金が用意されていますので、自社で利用できそうなものがないかしっかりと確認しておきましょう。
関連:工場建設の流れと各工程の注意点や関連する法律・補助金・助成金について解説
この記事を書いた人
安藤 知広
FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長
1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。