食品工場を
設計するまでのポイント
これからの食品工場建設においては、HACCP対応が義務化されておりますが、衛生面や品質、効率を追求していくと自ずとHACCP対応された工場へとつながります。
また、一級建築士であれば、用途・規模に制限なくあらゆる建築物を設計することが許されています。
しかし、「許されている」ことと「できる」ことは別の話です。
一級建築士であれば、用途・規模に制限なくあらゆる建築物を設計することが許されていますが、「許されている」ことと「できる」ことは別の話であり、多くの機能が求められる食品工場は経験なく設計はできません。
これからの食品工場建設において、HACCP対応が義務化されていますが、衛生面や品質を追求すると自ずとHACCPに対応した工場になります。
加えて、食品工場設計には「要求機能の多様性」「メンテナンス性」「ジャストスペック」など高いレベルで追求しなければなりません。
そのため、食品工場設計は通常の建築物の設計よりも高い経験値が必要となり、非常に難易度の高い分野であると言えます。
食品工場の設計と通常の工場設計の違い
食品工場と一般的な工場の最も顕著な違いは、厳格な衛生管理と食品安全基準を遵守することです。製造、加工、包装のプロセスで食品が汚染されないように設計・建設される必要があります。特に衛生管理において、温度(湿度)管理、廃棄物処理、水の管理、設備と機械の設置、害虫駆除などの防虫防鼠対策に注意する必要があります。
食品工場設計の前に考慮すべき環境要因
ENVIRONMENTAL FACTORS
食品工場設計のポイント
POINTS FOR BUILDING A FOOD FACTORY
ゾーニング
導線計画
入退場計画
メンテナンス性
天井内
メンテナンス通路
生産
エリア
長尺鋼板断熱パネル(天井)、傾斜シャッターボックス、合成樹脂塗装(床)、強化合わせガラス、見学者通路
ジャストスペック
結露対策(温湿度管理)
MEASURES AGAINST CONDENSATION
アフターフォローが大切
結露は季節と天候で発生条件が変わるので、なるべく外気と触れないことも大切ですが人が行きかう工場では限界があります。季節が絡むので竣工後1年間はどういった状態で結露が起こるのかその都度記録し、おおよその発生原因を建設会社と共有し、是正してもらいましょう。
衛生面での認証対応
COMPLIANCE WITH HYGIENE REGULATIONS
HACCP
Codex委員会(FAO/WHO合同食品規格委員会)が作成した食品安全システム構築のための指針や、農林水産省によるHACCP支援法、都道府県レベルで独自の認可する地方自治体独自認定など
ISO 22000
HACCP(食品安全ハザードのリスク分析の手法)+ISO 9001(マネジメントシステム)食品安全マネジメントシステム国際規格
FSSC 22000
ISO 22000(食品安全マネジメントシステムの国際規)+PAS220(食品製造における食品安全のための前提条件プログラム)国際食品安全イニシアチブ(GFSI)が制定したベンチマーク認証規格
付帯施設
ANCILLARY FACILITIES
クリーンルーム
保管
物流
事務所
複利厚生
食品工場に求められる設備や機能は幅広く、また注意すべきポイントも多い一方で、すべて費用に影響します。
通常の設計士では手に負えない難易度の高いプロジェクトだということがご理解いただけたかと思います。
計画から設計段階においてかなりの時間を要しますので、計画自体をまとめ上げられる会社に依頼することを強くお勧めします。
以上が設計までのポイントになりますが、次のSTEPでは最終的なコストやパートナーの選定、プロジェクトの進め方などをご確認ください。