食品
投稿日:2020.01.24
更新日:2022.09.26
近年では「見せる化」が工場・倉庫にとっての大きな営業ツールになると注目されています。
もともと工場などの製造業界では、「自社の技術を盗まれたら困る…」といった観点から、自社工場を外部から遮断して製造プロセスを完全に機密にする「工場のブラックボックス化」を進めるイメージの方が強いです。しかし、食品工場などでは、一般の来訪者に食品の製造工程を見せることで、自社の安全・安心をアピールできるなど、新たな営業ツールとして工場の『見せる化』を進める企業が増加しているのです。さらに『見せる工場化』には、「新規取引企業に自社の特徴をアピールできる」「自社の技術力や生産力を見せることができる」など、新規顧客の獲得ツールとしても非常に有効だと言われているのです。
そこでこの記事では、『見せる工場化』を進めることで得られるメリットや、実際に当社が行った建設実績を簡単にご紹介したいと思います。
それではまず、『見せる工場化』のメリットから簡単にご紹介しましょう。そもそも『見せる工場化』とは、工場内に見学通路などを設けて、実際の製造工程を間近で見ることができるようにする対策です。最近では『大人の工場見学』などとして、ビールの製造工程を見学して最後に出来立てのビールを飲むといったツアーが人気になっているなど、普段自分たちが口にしている食品がどのようにして作られており、どういった安全対策が行われているのかを消費者自身が確認できるような施設が登場しているのです。
さらに、『見せる工場化』は、工場内での企業としての取り組み姿勢や技術力、社風なども見ていただけるようになるため、新規顧客開拓のための営業ツールとしても活用できると注目されていて『見せる工場化』によるメリットは、主に以下のようなものだと言われています。
それでは最後に、当社がサポートした実際の『見せる工場化』の建設実績をご紹介しておきます。
『堀口珈琲 横浜ロースタリー』は、最高品質のコーヒー豆を清潔な環境で効率よく製造することを目的とした食品工場となります。さらにそれに加えて、『見せる工場』として一般の来訪者がコーヒー豆の製造工程を間近かつ安全にリアルタイムで見ることができるミュージアム機能までも備えた、全く新しいタイプの食品工場となります。
横浜ロースタリーでは、高品質なコーヒーづくりの拠点としていくために建物内では区画をきちんと分け、適切な清潔度・衛生度を各工程ごとに確保できるよう工夫しています。最大の特徴は、生豆の選別から焙煎豆の包装まで、コーヒー豆の製造過程を一般来訪客が間近で見られるように建物の中央に見学用通路が設けられていることです。
食品工場ですので、高い機能性を持つのは当たり前ですが、『堀口珈琲 横浜ロースタリー』はミュージアム機能を持つ工場として意匠性にもこだわり、存在感のある建物を実現しています。意匠性の高さから、食品工場でありながら2019年度グッドデザイン賞を受賞しました。
施主 | 株式会社堀口珈琲 |
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所在地 | 神奈川県横浜市 |
施設カテゴリ | 工場・倉庫系施設 食品工場・食品関連施設(FACTAS) |
竣工 | 2019年02月 |
構造 | S造2階建て |
問題解決キーワード | 見せる工場│衛生的│製造拠点の拡張 |
株式会社新海屋は、ブリやカンパチといった養殖魚の加工販売を中心として2011年宮崎県延岡市に創業しました。2013年4月にフィーレ加工を内製化するための自社工場を建設したのですが、順調に業績を伸ばされ、旧工場での対応が限界となり、さらにHACCPへの対応も必要とのことで今回の新工場建設となったのです。
特に今回の新工場建設は、対米輸出も視野に入れた水産庁のHACCP対応助成金の対象工場として、設計から施工までを一貫して当社がサポートしました。北浦ベースでは、入荷から出荷まで年間通して15~17℃での一定温度での管理を可能とし、衛生度に合わせて陽圧化を図り商品の品質向上に貢献する施設となっています。
施主 | 株式会社新海屋 |
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所在地 | 宮崎県延岡市 |
施設カテゴリ | 工場・倉庫系施設 食品工場・食品関連施設(FACTAS) |
竣工 | 2018年03月 |
構造 | S造 |
問題解決キーワード | HACCP認証│生産能力向上│水産庁助成金対象 |
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この記事を書いた人
安藤 知広
FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長
1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。