建築
投稿日:2020.01.30
更新日:2022.09.26
食品工場では常時、大量の電力を消費しています。
製造ラインの稼働、冷暖房設備、食材や製造された製品の保冷や保管管理等、毎月の電気代が工場運営でも大きな割合を占めています。
光熱費のコストダウンを図るために検討したいのが、広い屋根を利用した「太陽光発電」です。
この記事では、光熱費のコストダウンに役立つ太陽光発電について紹介します。
工場の屋根は、表面積が大きく、傾斜角度も太陽光パネルを設置するのに適した形状であるため、すでに太陽光発電を導入している工場も多くあります。 もちろん、重量と屋根の耐震性なども踏まえて、どのような設備をどの程度設置するかは専門家による計算や設計が必要です。
そのうえで、屋根や建物に負担がかからず、かつ最大限に発電できるパネルを選びましょう。
工場では大変大きな電力が必要になる工場も多く、全ての電力を賄う事は不可能です。しかし補助的な役割や、事務所等の一部に活用する事も含め検討する意味は大きいと思われます。 太陽光発電は太陽光を電気エネルギーに変えるため、特に日が高くなる時間帯の12時から15時頃にかけて大量の電気を発電してくれます。 それにより日中の電力をしっかり賄うことができるのです。
工場で全ての電力または一部だけでも太陽光発電で賄うことができれば、電気代のカットにつながるだけでなく、節電にも効果的で、自然光を利用した再生可能エネルギーの活用で地球温暖化防止への貢献にもつながります。 企業においては二酸化炭素の排出量削減目標が課されるなど、環境保護活動の推進が求められています。 企業のCSRに取り組み、地域の方や消費者に貢献している企業であることがアピールできれば、工場がある地域の方との関係も良好になり、働く人材の確保や製造した製品の売り上げもアップするなど考えられるメリットは少なくありません。
太陽光発電のデメリットと言えば、太陽が出ている日中しか電力を使えないということです。 また、日中に使いきれないほどの発電ができた場合、それを後から使えるかと言うと原則としてできません。 これは太陽光発電に限らず、電力会社が提供する火力発電や水力発電、原子力発電などにも言えることです。
しかし、太陽光発電の場合は蓄電池を備えることであまった電気を貯めることが可能になりました。 食品工場では24時間操業をしているところも少なくなく、蓄電した電力を効率よく使うことで、夜間操業時の電力コストも抑えることが可能です。
太陽光発電における発電量を踏まえ、必要な電力を上回る発電ができる見込みがあれば、蓄電池も併せて利用しましょう。 太陽光発電に加えて蓄電池を備えることで、より効率的に省エネや電気代のカットにつなげることができます。
地震や台風などの災害で地域の電力供給がストップした際も、太陽光発電設備が正常に機能すれば、日中の冷蔵庫や冷凍庫の維持や製造ラインの稼働、蓄電池を使っての最低限の稼働などを維持できます。
地域に大きな被害が発生したときは従業員も働ける状況ではないこともあります。 工場に大きな被災がなく、太陽光発電を使っての稼働が少なからず可能なら、早期に工場の操業を開始することも地域や被災者にとって役立つ可能性もあります。
被災して働く場所がなくなる、収入が入らなくなると、いっそう従業員や被災者の不安が増します。 月給の保障もないアルバイトやパートスタッフが早期に収入を得る手段を確保するためにも、太陽光発電が貢献してくれます。
災害時は配布しやすいパンや温めなくても食べられるレトルト食品、日持ちする食品をはじめ、すぐに食べられる食品は避難場所でも求められています。 少し大きな話かもしれませんが、地域外からの支援がなかなか思うようにならないときも、地域で食品工場などが稼働できると地域貢献にも繋がるのではないでしょうか。
三和建設では、食品工場の見積もり時に、太陽光パネル導入の検討もおすすめしています。 工場の設計や建設の費用に加え、その後のランニングコストも念頭に置き、企業にとって、過不足のないプランをご提案しています。
この記事を書いた人
安藤 知広
FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長
1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。